第1回関東支部大会報告

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 去る12月21日(土)、グローバル人材育成教育学会第1回関東支部大会が東京海洋大学(東京都港区)で開かれました。グローバル人材育成教育や語学教育に取り組む中等・高等教育機関の教職員の方々をはじめ、企業において社員の人材育成やグローバルスキルの開発を実践されている実務家の方々、そしてグローバル人材を目指す学生や社会人の方々など、約60名が参加くださいました。

 まずシンポジウムに先駆け、支部総会を開催して関東支部長を選出、承認となりました。引き続き「本学会が目指すもの」と題して本学会小野会長より、グローバル人材育成教育学会が設立された趣旨、そして昨今のグローバル人材育成に対する社会の要請について話がありました。文部科学省が推奨するトビタテ留学JAPAN!に代表されるように、現在、日本全国でグローバル人材育成に向けた様々な取り組みが行われていますが、「英語を学んでからどうするのか」「海外に行ったからどうなるのか」など、グローバル化への入り口的な取り組みの先には、しっかりとした目的と中長期的なビジョンを持つことが大切であるということ、さらに現場の教職員のグローバルマインドの醸成やスキルアップが急務であるという話がありました。

 次に「グローバル人材育成教育の最前線」をテーマにしたパネルディスカッションに移りました。企業からは斉藤智氏(株式会社桐原書店代表取締役社長)を迎え、本学会会長と関東支部長を加えた3名のシンポジストで、企業、大学、そして産学連携の立場から、グローバル人材育成の課題に関するディスカッションを行いました。特に、斉藤氏からは企業の現場における人材育成の苦労と、組織として具体的に取り組んでいる事例のお話があり、教育現場のグローバル人材育成教育の実践にとっても大いにヒントとなりました。

 後半では「グローバル教育実践の現状と方法」と題して、異なる三つの教育機関から具体的な教育実践の報告がありました。高等教育の現場から小松俊明氏(東京海洋大学)、中等教育の現場からは赤塚祐哉氏(都立国際高校)、そして語学&スキル教育の現場から松岡昇氏(獨協大学)が、それぞれユニークな視点で、実践的なグローバル人材育成教育の実践報告を行いました。

 今回の合計6時間に及ぶ講演・シンポジウム、及び情報交換会には、学会の正会員や学生会員に加え、賛助会員となって本学会を応援してくださる多数の企業の関係者の方々にもご参加頂きました。語学教育、教材作成等の関連企業様が多く参加くださり、当日参加した教育関係者の方々には大変貴重な情報のご提供がありました。

 グローバル人材育成教育学会にとって初めてとなる支部の立ち上げとなりましたが、今後、関東支部に続き、北海道支部、九州支部等が立ち上がる予定です。また関東支部におきましても、語学教育やインターンシップをテーマにした各種専門部会も始動する予定です。そして第2回全国大会は、11月15日(土)・16日(日)に国際教養大学で開催致します(前夜祭・見学会は14日(金))。みなさんにおかれましては、どうぞご予定に入れておかれてください。

今回の学会における議論を通じ、グローバル人材育成教育の実践には、よりいっそう産学連携を進める必要があることを認識しました。次の全国大会へ向けて、多くの会員は自らがグローバル人材になることを誓い、職場に戻っていきました。

グローバル人材育成教育学会 関東支部長 小松 俊明

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